予備校で、新年度(ここでは2019年度のことを指します)私(富田一彦)の授業を受けようと思っている人たちに、受講の参考になることをいくつか書いておきます。もちろん、これは受講を勧めるためのものではなく、客観的に事実を伝えることが目的ですのでその点理解した上で読んでください。
一番始めにお断りしておくと、私がこういう文書をツイッター経由で公開するのは、きちんとした認識を持って授業選択をしてほしいからです。その前提として、読んだ情報(もちろん日本語で、です)をよく斟酌して理解する能力があることが前提となります。「何をやったらいいか」「どう予習したらいいか」「どんな参考書をやったらいいか」「ノートはどう取ったらいいか」「授業が始まる前に何をやっておいたらいいか」というような質問をする人は、そもそも私の授業を受けるのに向いているとは言えません。勉強とは「自ら工夫する行為」であり、「何をどうやるか」を考えるのは勉強する本人でなくてはなりません。もしあなたにその能力がないなら、まずはそれを身につけるところから始めなくてはならないのです。上に挙げたような質問は、自分をそういう意味で鍛えるための契機なのに、それを誰かに丸投げするような考え方をしている人は、私のところに来ては不幸になります。私は、たとえやせ我慢でも「自分」というものをしっかり持とうとする基本的意欲のある人に出会いたいと思います。というより、そういうものを持っていない人を魔法のように引き上げるような力を、私は持っていません。「✕✕先生の授業を受ければ受かる」という言葉を使う時、✕✕の部分に私の名前を入れないでください。勉強するのはあなたであり、それによって合格を勝ち取るのも、成長しておとなになるのもあなたです。誰かの言いなりにならず、誰かの腰巾着にならず、自分の目で見て、自分で考え、自分で答えを出し、自分で責任を取る。そういう人を、私は待っています。
では、私の授業をもし取るのであれば、参考にして頂ける情報をお伝えします。
まず、私の授業は1年間をしっかり分けて計画されたものですので、その点はよく理解しておいてください。
1学期:英語の基本事項をしっかり身につけてもらうことをテーマとした授業。文法は単元別に「なぜそうなるか」を説明していきますし、読むときも一つの文の読解に相当な時間をかけます。だから進むのはとても遅いことをお伝えしておきます。もうひとつ、この段階では「やっていることがなんの役に立つか」は示せないことが殆どです。山登りと一緒で、最初の段階はただ苦しく先が見えない状態になるのは少なくとも私には避けられません。最初から楽しくやる方法を知っている先生が良い方は、そういう先生を選んでください。
夏休み:1学期にやってきたことを得点に換えるために必要な「観察力」を養成する鍵を与えます。ここが授業の最大の転換点だと私が認識していることを理解しておいてください。講習会ですから、来るか来ないかはあなたの自由ですが、2学期に同じことをやる余裕はありません。ここで1学期にやってきたことになんの意味があったかの片鱗が見えるはずです。
2学期:夏休みに提示した「観察力」をあなた自身が養成するのをお手伝いする期間です。1学期からは考えられないような進度で進みます。予習必須。いかに予習で正解率を挙げられるかを指標に勉強してもらいます。
冬休み:合格点を取るための最後の仕上げの段階。判断力を養成することで、試験時間内に合格点を取る方法を考えていきます。ここでは、私の話す言葉の意味がほとんど瞬時に理解できることが必要です。
1年間は計画されていて不可逆に進むので、途中から入るのは決して楽ではありません。でも、私に教わっていなくても、例えば英語の基礎がきちんと身についている人なら夏休み以降でもついてくることは可能です。
一方で、毎年いるのですが、途中でいなくなる人。期待に応えられずもうしわけないのですが、私の授業は、ただ話を聞くだけではなく、その背後で受講生がたくさん知恵を絞ることを求めています。「聞くだけでできるようになりたい」という人には全く合わない授業なので、そのことを理解しておいてください。私はあなたに無駄な努力をさせるつもりはない。けれども、楽をさせるつもりもないのです。今見えない世界の地平が見えるようになるには、人間は背伸びをしなくてはなりません。つま先立ちは楽な立ち方ではありません。私はあなたに、観客ではなく当事者になることを求めています。なんだか面倒臭そうだなぁ、と思ったら最初から他をあたってください。反対に、一度来ることに決めたら、つべこべ言わずに最後までついてきてください。途中でやめるなら、最初から時間の無駄です。
次に、本科生で私の授業を含むコースに来る人に。レギュラー授業には講習会は含まれません。残念ながら、と言うべきか、講習会の時間数も含めないと十分な話ができません。「商売だからね」と考える人もいるでしょう。選ぶのはあなたですから、私はそれについて反論する気はありません。ただ、私の中の事実をお伝えしておくまでです。もうひとつ、予備校は最近オリジナルカリキュラムといって、受講生が先生を選べる制度を作っているようです。そこでお願いなのですが、特に1学期の間は、私の授業は一つだけにしてください。2つ以上取っても話が重なるだけです。もちろん二度以上聞きたいと言うなら止めません。でも、一学期の間、私にとっていちばん重要なのは、初めてその話を聞く人です。レギュラー以外に、単科を一つ取るのはいいでしょう。単科は付録がありますからね。もうひとつ。一人の先生だけの授業を取りすぎることを私が勧めないのは、視点が偏る可能性があるからです。もちろん、先生によっては、同じ人でも授業によって色々な視点を与えてくださる方もおられるでしょう。そういう人の授業をいくつとっても構いません。でも残念ながら、私はいつも私なのです。
次に、単科生の人に。単科は「読解」「文法」に分かれています。ただ、もちろんどちらか一方にしか来ない方も多いので、特に一学期はどちらの授業でも同じ話が出ます。では何がちがうのか。読解は文法単元が文章に出てくるものに左右されてあちこち飛ぶのに対し、文法では単元別に順番にやっていきますから、全体像を見極めた整理がしやすくなります。だから、一学期は2つとも受講してもらえるとより効果的です。ただし、どうしても一つしか取れないというなら、今言ったことを参考に決めてください。つまり、話があちこちとんでも整理ができる自信があるなら読解、単元ごとに整理していかないと不安なら文法、です。もちろん、試験として大きな配点があるのは読解ですから、そちらの方に来る人のほうが例年多いのは確かです(おかげで文法はいつでも風前の灯)。なお、内容的には文法のほうが網羅的です。夏休み以降は当然扱うテーマが異なるので、どちらを優先して勉強したいかで決めてください。夏休みからは文法では作文も少しですが扱います。
最後にもう一度言いますが、大学受験をするのはあなたです。どの予備校に行くかも、どの授業を取るかもすべて「あなたの判断」であり、その巧拙が成功・不成功に直結します。しかも誰に聞いても決定的な話はしてくれません。できるはずがないからです。あなたのことをあなた以上にわかっている人はいないので、他人には正確なアドバイスなどできません。皆「ありがちな結論」か「自分に都合の良い結論」を与えようとするだけです。もちろんそれに乗ってもいいのですが、でもあなた以外の人は、そのあなたの決断結果の責任は取ってくれないのです。だから、どういう選択をするにしてもそれは「自分の選択だ」ということをしっかり認識してください。私は、もちろん自分の商売上の都合もあって、多くの人が受講してくれる方がいいわけですが、単にそれだけではなく、ぜひ自律的にものを考えられる受験生の諸君と出会って、火花を散らして、それが結果的にその諸君の、そして私自身の成長につながることを望んでいます。反対に、誰かに言われるままに授業に来て、興味も関心も持てずに目が泳いでいる人を見ると、その人のために心から悲しくなります。その人は、今ここにいてはいけないのです。どこか別のところに居場所があるなら、そちらを選んでください。もし、私のところにくるというなら、自分を揺さぶられ、ときに否定され、その中から蘇る覚悟を決めてください。そういう経験をさせるのが私の仕事であり、そのために私はこうしてここにいるのです。
では。
