覚悟を持って勉強するということ

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2016年11月執筆

先日、ツイッターでの私のアカウント(TOMITA_yozemi)に西進塾で勉強したいが地方なのでままならない、という声をいただき、その後直接メールをくださった方がおられます。

将来英語の指導者を目指したいと仰る方です。その方に返信を差し上げようとして文面を考えていたら、気づいたら次のようなことを書いていました。

———————————–<ここから引用>——————————————-.

ツイッターでお声がけいただいた方ですね。

具体的なお話をする前に、まずご自身のお名前など、基本情報をお知らせくださいますか?

個人的には、私のノウハウを受け継ぎ、より良いものにして頂くことが一番の希望ですので、そのこと自体は頼もしく思います。

ただ、本当にそのご意思があるならば、それだけの覚悟が必要です。私が、すべての授業の基本に文法を据えるのも、費用が高いのも、当塾の所在地まで足を運んでいただくのも、一つにはその覚悟を見極めたいからです。地方にいて、当塾に通えない、という事情は理解できます。でも、顔を見えず、名前も分からない方に対し、何を以ってその覚悟を確認すればよいと思われますか?

ただ「やってみたい」と考えるだけなら誰でもできます。ただ、100人がやってみたいと思うとすればやり始めるのは10人、やり遂げるのは1人、というのが私の実感です。そして、私には、途中で投げ出してしまう人とお付き合いしている時間はありません。私に残された時間は、あなた様のそれに比べればあまりにも短いからです。

あなた様の状況に私が寄り添うことを求めるのならば、まずはそれだけの覚悟を示していただかないと。

やり方はお任せしますが、ご自身の意思が一時の気の迷いではないことを、お示しください。話はそれからにさせていただきます。

よろしくお願い致します。

——————————————–<ここまで>————————————————-

相手が若い方であることを差し引いても、我ながら失礼な物言いだとは思いますが、それでもこれが私の偽らざる本音なのです。私に与えられた時間は有限です。それは誰しも同じですが、生物学的年齢を考えればその量は無限とは程遠いのです。私はその中で、少しでも次の世代にとって有意義な仕事をしていきたいと思っています。なので、当塾とお付き合い頂ける方には、僭越ながらいくつかの覚悟をお願いしたいのです。それは決して無理な要求などではありません。

まずはすべての受講生の方にお願いします。私のお話しすることをしっかり受け止め、自分のものになるまで消化するよう心がけてください。そのためには、まず大前提として、ご自身を、その能力を信じてください。私は苦労せずとも上手になれるなどというまやかしを申し上げるつもりはありません。成功するには、それは血の滲む努力が必要です。でも、努力を継続するには、まず自分の潜在力を信じることが必要です。あなたの努力を阻み、成功を妨げる最大の獅子身中の虫は、自己不信です。はじめは自分を信じるのは難しいことでしょう。何しろ上手くいかないのですから、信じられないのも無理はないのですが、現在の自分を分析することと未来の自分を信じることの間には、何の矛盾もありません。

次に大切なことは、継続することです。私の行う英文法の授業は、英語に関する諸問題を解決する手がかりを提供しますが、それを受け取ればそれで万事解決というわけではありません。真に知的なことが常にそうであるように、繰り返し現物に当たり、考え、練習することが必要です。勿論、ただ授業を受ければいいと申しているのではありません。ご自身で英語と向かい合い続けて頂けるのであればそれでよいと思います。でも、実際にはどうでしょうか?私自身、仕事でなければ英語と付き合い続ける自信はありません。ですから時に例えば当塾に戻り、新たな授業に挑戦していただくことが必要だ思います。文法の授業後に自習可能なように、文法に関する問題集的なものをこれから編集していく予定でもおります。そういうものを利用することを含めて、ぜひ継続していくことをお勧めします。

必要なことは質問して頂いて構いません。でも同時に、まず自分で解決することを目指してください。自分で考えることを割愛して質問するのは、言葉の意味を推測する前に辞書を引いてしまうのと同じで、勉強の「美味しいところ」を捨てているようなものです。ぜひよく考えてから質問をしてください。

このような書き方をすると、私が受講生の皆さんに求道的でストイックな態度ばかりを要求しているようにみえるかもしれませんが、そんなことは全くありません。勉強は楽しいものです。わからなかったものがだんだん分かるようになることほど楽しいことはない、と私は思います。教室にも、時には笑い声があふれることもあります。

覚悟と好奇心に溢れ、勉強を楽しんでくれる人たちがたくさん集まってくださることを切に願っております。