2020年、年頭のご挨拶

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皆様、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 

英会話教室ばかりが溢れる世の中のあり方に逆らい、当塾を立ち上げてほぼ5年の月日が流れようとしています。この間におよそ100名の方に英文法講座を受講していただきました。これほど多くの皆様のご愛顧をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。

英語教育のあり方について、色々ざわついている昨今ですが、当塾の基本的な考え方は、英文法という必然性と再現性のあるルールをしっかり身につけ、それを足がかりに「読む」「書く」力を「最小限の努力で」伸ばしていくことにあります。「聞く」「話す」はその延長にあり、「読む」「書く」力を得ておくことがその飛躍の前提であるというのが当塾の立場です。

当塾の受講生には様々な方がおられますが、その多くは、英語以外の勉強・仕事・専門を持たれておられる方です。そういう方々にとって、英語の勉強はあくまでも片手間のものでなくてはなりません。コミュニケーションにおいて相手の敬意を手に入れられるのは、流暢な語学力によってではなく、その人物がその専門分野その他において傾聴に値する知見・見識をお持ちだからです。言い換えれば、まずは一聴に値するだけの専門的な見識をお持ちになり、それを、文法に基づく正確な英語で表現できればよいのです。「書く」ことであれば、「話す」のような即時性は求められません。まずは正確に「書ける」こと、そしてその前提として文法に基づいて正確に「読める」ことが重要です。もちろん「話せる」に越したことはありませんが、自分の専門分野の知見を深める努力を疎かにしてまで「話す」ことに拘る必要はございません。当塾が願うのは、受講生の方が、その専門の如何に関わらず、ご自身の「英語以外の」見識を深めることに全力を傾注され、その合間に英語の勉強をすることで、その知見・見識を英語を使って正しく世界に伝えられるようにすることです。それも片手間で、すなわち「最小限の努力で」です。

ただ、最小限の努力には、時に最大限の苦労が伴います。当塾が皆様に求める努力の最大のポイントは「これまでの思考・判断の枠組みから飛び出す」ことだからです。単語の意味を、前から順番に何となくつなげてもっともらしい意味を想像する、というこれまでのあり方を完全に転換していただくことが、「一番の近道」なのです。問題は「かける時間の長さ」ではありません。「発想の転換」「ルールの正確で本質的な理解」「臨機応変な思考」です。これは知的世界における最高位の要求であると言えます。ただ、それこそが一番の近道であり、また学習者の知的能力全般の向上に大きく寄与する要求でもあるのです。そしてもちろんこのような能力の獲得は、単に「英語」という枠組みの中にとどまらず、人間の知性全体にとっての最高の喜びでもあります。実を申せば、当塾が密かに願っている英語学習の副産物の一つが、受講生の方がそういう思考の大転換を経験することで、英語以外のご自身の専門分野を含む多くの面で、より良い理論構築をされ、より良い発想を出し、ひいてはより大きな業績を達成されることです。そのような仕事のお手伝いができれば、当塾としましてはまさに冥利に尽きることです。

このような「枠組みの転換」はなかなか独学でできるものではございません。その意味におきまして、今後もより多くの皆さまが当塾の授業にご参集いただき、新たな刺激を受けていただくことを心よりお願い申し上げます。

当たり前のことですが、当塾の理念は、それを支えてくださる受講生の皆さまがあってはじめて実現できるものです。そして不遜と思われるかもしれませんが、皆様のより良い英語理解と運用、より良い思考の確立は、当塾の授業によってもたらされる部分が一定以上あるはずだと自負しております。その意味におきまして、皆様と当塾は持ちつ持たれつの関係にあります。そういう認識に立ちまして、今後も当塾を是非ご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

本年は、英文法演習講座を(作り続けながらではありますが)開始いたします。講読・作文・総合の各講座も一層の内容充実を図ってまいります。短い英文の正確な構文把握と訳語選択に基づく解釈の仕方をお伝えする授業も企画しております。また、当塾はその建前としまして、大学受験指導は行っておりませんが、大学院受験などは対応させていただきます。それに関しましては英語のみならず小論文の指導などもさせていただいております。また最近では、TOEICに加えまして、TOEFLやIELTSなどのお手伝いをさせて頂く機会も、個人指導ベースではありますが出てまいりました。英文法講座も、より多くの人に受講していただけるような仕組みを模索中です。。

繰り返しになりますが、当塾は今後も、英語教育界という暗黒の世界における、微動だにしない灯台のような存在として、常に一定の指針を世界に向けて示し続けたいと思っております。それには、ご理解ある皆様のご支援が不可欠です。ご自身が勉強を継続されること、身近な方にお勧めいただくことなどを通じまして、ぜひ今後もご愛顧をお願いしたいと衷心よりお願い申し上げます。

 

末筆ではございますが、皆様の今後のますますのご発展・ご繁栄・ご成功を祈念致しております。

 

寒さが厳しくなってきております。風邪などお召しになりませぬよう、くれぐれもご自愛ください。

 

以上をもちまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

 

2020年1月2日

西進塾塾長

富田一彦

 

お問い合わせ・ご連絡は:seishin@tomita-english.com